篆刻とは


篆書 を始めとする中国の古代文字を石に刻むことです。

 

中国の古代文字を遡り、現在発見されている一番古い字体は甲骨文字です。古代の人々はよく占いし、その際亀の甲羅、牛などの骨に文字を刻み、火の中に入れ、そのひび割れの形や方向などで吉凶を占い、行動の指針としたそうです。 

 


その後、文明の進化、技術の進歩に連れ、春秋、戦国時代に青銅器などに刻まれた文字を金文と総称し、甲骨文字の鋭い、単調な線質から表情豊な字体へと変化しました。今日たくさんの金文資料を見られるのはその鋳造技術の高さです。特に、戦国古尓の強靭且つ繊細な線質はその技術の結晶と言っても過言ではないでしょう。

 

 


秦の始皇帝が戦国時代を終焉させると、文字の統一に着手、標準となる篆書ができました。次の時代である、漢に入ると、印の制度が確立され、字の配列、線質などは今日の篆刻の基本と言えます。

 


時代が下り、元、明の時代に篆刻に適した石が発見されてから、民国までの数百年間、大勢の印人が生まれ、多彩な印を残し、篆刻と言う芸術を開花させました。その方寸の中に、古代文字を解釈し、それぞれの思いを石に昇華させ、今日の篆刻に大きいな影響をもたらしました。